なっちゃんのダイニング

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読了(宮部みゆき4作品)

読了(○、◎などは私の好み度)

◆宮部みゆき:魔術はささやく ○
(日本推理サスペンス大賞受賞作)

・・・3人の若い女性が次々と亡くなった。それは関連のないことのように思われたが実は。。。主人公の少年「守」はタクシー運転手の叔父が逮捕されたことをきっかけに知らず知らず事件の真相に迫っていくのだった。

描写が細かい宮部みゆき作品らしい推理小説なので前半はそれほどでもないですが、後半一気に真相が明らかになるにつれ、読むスピードも上がり「ほほう、そうだったかー」とうならせるものだった。

◆宮部みゆき:火車(かしゃ) ◎
(山本周五郎賞受賞)

・・・休職中の刑事「本間」のところに甥っ子から「婚約者が蒸発したので探して欲しい」と頼まれた。クレジットカード社会に翻弄された若い女性。「ただ幸せになりたかっただけなのに・・・」という言葉が心に残る社会派ミステリーに思えた。

これもまた宮部作品らしく、脇役のセリフや生活感のある描写が多く、自分も小説の主人公の知り合いであるような親しさを感じてしまった。

◆宮部みゆき:震える舌(霊験お初捕物控) ○

・・・ふつうの人間にはない不思議な力を持つ「お初」(16歳)が主人公の捕物帳。ロウソク屋にとり付いた悪霊は100年前の赤穂浪士と何か関連があるのか。

個人的には時代劇風の小説を読んだことがほとんどなかったので最初は若干読みにくかったが、次第にお初のさばさばした性格に惹かれていった。

◆宮部みゆき:天狗風(霊験お初捕物控2) ◎◎

・・・不思議な力を持つ主人公「お初」は17歳になった。好きな算学をやって良いと父から許しを得た右京之助と協力しあって、「神隠し(かどわかし)」にあったとみられる若い女性2人の行方を捜す。

1作目よりも主人公の人となりが分かっている分読みやすく、また途中から重要な役割を果たす猫の「鉄」「鈴」「和尚」3匹が可愛らしくて読むのが止められないほど。これは是非3作目以降もシリーズ化してほしいものですが、初出誌が1994年4月~翌年4月(刊行は1997年11月)という比較的古い小説であるので期待していいのかどうか。
by natchan72 | 2007-10-25 00:14 | 読書